大城のコレクション手帖Vol. 01

大城のコレクション手帖Vol. 01

今週のコレクションの評価額と、含み損が出ても手放せない時計の話

Nostalgia Collection Club — Members Only

Portfolio Snapshot — 2026年5月17日時点

Collection Bank評価額 ¥629,733,800

購入金額(合計) ¥368,264,822

アイテム数 1,158点

差額 +¥261,457,978

Art ¥510,133,000 +81.1%

Furniture ¥49,720,000 +190.7%

Watch ¥52,670,000 −21.4%

Apparel ¥6,860,000 +2919.4%

Sneaker ¥2,708,500 +50.5%

Hobby ¥2,067,800 +101.4%

Kogei ¥769,000 +2915.7%

Wine ¥2,100,000 +412.4%

Others ¥894,500 +332.1%

※ 増減率は購入価格を登録済みのアイテムをベースにした参考値です。一部未登録のアイテムがあるため、実際の増減とは異なる場合があります。随時精度を上げていきます。
※ この数字を毎週ここに載せるのは、一喜一憂するためではありません。自分のコレクションを観察し続けるという習慣を、会員のみなさんと一緒に作りたいからです。

01 — 今週のフォーカス

Watch ——−21.4%と、正直に向き合う

今週はあえてマイナスのカテゴリから始めます。

Watchカテゴリの現在の評価額は¥52,670,000。含み損は約1,127万円、−21.4%です。ポートフォリオ全体が+70.9%のなかで、唯一赤字のカテゴリ。

これを最初に語るのには、理由があります。

02 — 対象と背景

キリーのこと

ロレックス プレデイトナ、通称キリー。

デイトナが確立される前の過渡期に作られたクロノグラフモデルで、スキーの三冠王ジャン=クロード・キリーがロレックスのアンバサダーだった時代に着用したことからその名で呼ばれています。エキゾチックダイヤルや独特のケースラインを持つこのモデルは、ビンテージロレックスの中でも特に物語性の強い一本です。

私がキリーに憧れ始めたのは、ずっと前のことです。手に入れたのはコロナ禍。あの時期、ビンテージロレックスのクロノグラフ系は世界的な流動性の余剰資金がコレクション市場に流れ込み、異常な価格水準にありました。それはわかっていました。

それでも買いました。ずっと憧れていたから。

03 — 市場の構造

コロナ禍の時計市場で何が起きていたか

2020年から2022年にかけて、高級時計市場は歴史的な高騰を経験しました。ロレックスのスポーツモデルはもちろん、ビンテージのクロノグラフ系も例外ではありませんでした。

キリーのようなプレデイトナは、もともと流通量が極めて少ないモデルです。状態の良い個体、オリジナルダイヤル保持の個体となるとさらに希少で、コロナ禍以前から一部のコレクターの間で高い評価を受けていました。そこにコロナ禍の過剰流動性が重なり、P2P市場での個人間売買価格は一時的に大きく跳ね上がりました。

その後、2022年後半から市場全体が調整局面に入り、ビンテージクロノグラフ系も例外なく価格が下がりました。私のキリーの含み損−21.4%は、その調整の結果です。

04 — 保有の判断

−21.4%でも、手放そうと思わない理由

正直に言います。手放そうと思ったことは、一度もありません。

これは強がりではありません。そもそも、ノスタルジー投資の前提は「好きだから持ち続けられる」ことです。キリーは私にとって、価格が上がったから欲しくなったモデルではありません。ずっと前から憧れていたモデルです。

価格が下がっても、その事実は変わりません。

むしろ、コロナ禍の高値で手に入れたという経緯が、今となっては一つの記憶になっています。あの時期の熱狂、あの時期の自分の気持ち。それごと手首に巻いている感覚があります。

含み損は、観察の対象です。手放す理由には、なりません。

05 — 何を観察するか

今週の観察メモ — Watch

ビンテージロレックスのクロノグラフ市場は、2024年以降も調整が続いています。ただし、オリジナルコンディションの個体・希少ダイヤルの個体に対する評価は底堅い。市場全体の下落と、個体ごとの評価は分けて見る必要があります。キリーに限らず、Watch全体の今後については引き続き観察を続けます。

06 — コレクションとして持つ意味

時計が宿すもの

高校生のとき、祖父からロレックスのオイスターパーペチュアルデイトをもらった。特別高価なものではなかったけれど、ずっと手放さなかった。売ろうと思ったことも、正直ある。でも手放せなかった。好きだったから。

キリーを見るたびに、あの感覚を思い出します。時計というのは不思議なもので、値段とは別のところで「手放せない理由」が宿る。コレクションとして持つ意味は、そこにあると思っています。

−21.4%という数字は、今の市場がキリーをどう評価しているかを示しています。ただそれだけです。私がキリーをどう評価しているかとは、別の話です。

07 — まとめ

含み損は、観察の対象である

コレクションのポートフォリオを毎週公開するのは、パフォーマンスを誇示するためではありません。良い数字も悪い数字も、そのまま見せることで、「なぜそれを持ち続けるのか」という問いを自分に向け続けるためです。

Watchが唯一のマイナスであることを、私は恥ずかしいとは思っていません。むしろ、これがノスタルジー投資の正直な姿だと思っています。好きだから持った。市場が動いた。それでも手放さない。その一連が、コレクターとしての自分の記録です。

今週観察するべきは、自分のポートフォリオの中で「含み損が出たとしても手放せないもの」が何かを確認することです。それが、あなたのノスタルジー投資の核心です。

Member’s Question

あなたのコレクションの中で、
含み損が出ても手放せないものはありますか?
その理由は何ですか?

大城 崇聡Collection Bank 代表取締役
ノスタルジーコレクションクラブ 主宰
保有 1,158アイテム・評価額 ¥629,733,800

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