大城崇聡|Collection Bank代表取締役
先週、らんま1/2のテレホンカードを数枚買いました。今週数えたら、115枚になっていました。
オークションで落札して先週届いた23枚、今週買い足した92枚。気づいたらそうなっていた、というより、気づいたら止まらなくなっていた、という感じです。
ジャンプのテレカという存在
115枚のテレホンカードの中で、今週特にクローズアップしたいのがジャンプ系のテレカです。
写真を見てもらうとわかりますが、「WEEKLY JUMP PIRATES CLUB」というロゴが入ったテレカが複数あります。これは週刊少年ジャンプの読者会員向けに制作されたもので、懸賞景品や会員特典として配布されていました。一般の店頭には並ばないものも多く、当時の少年たちにとっては憧れの存在だったと思います。
アルバムを開くと、ドラゴンボール、スラムダンク、幽☆遊☆白書、電影少女――。
1990年代前半、ジャンプ黄金期を象徴する作品たちが並んでいます。
当時の週刊少年ジャンプは発行部数600万部を超え、まさに社会現象でした。学校ではジャンプの発売日が一週間の始まりで、休み時間には最新話の話題で盛り上がる。いま振り返ると、あれは単なる漫画雑誌ではなく、一つの巨大な文化圏だったのだと思います。
そんな時代に生まれたテレホンカードは、本来であれば「使うためのもの」でした。
けれども今、電話ボックスは街から姿を消し、テレホンカードを実際に使う機会もほとんどありません。それにもかかわらず、多くの人がこうしたカードを集め続けています。
それは、カードに描かれた作品やイラストに価値があるからです。
そしてもう一つ。
そのカードを手に入れた当時の記憶そのものが、一緒に保存されているからだと思います。
私自身、このアルバムをめくるたびに、作品を読んでいた頃の感覚が鮮明によみがえります。ドラゴンボールの連載を追いかけていた時間も、スラムダンクに夢中になった日々も、カードの中に閉じ込められているような気がします。
最近はアメリカを中心に、アニメや漫画のカードをPSAなどでグレーディングして収集する文化が広がっています。ポケモンカードやスポーツカードだけでなく、日本の漫画文化そのものをコレクション対象として評価する動きが強くなっています。
そう考えると、ジャンプの懸賞テレカはまだ十分に評価されていない存在かもしれません。
発行数が少なく、作品人気が高く、保存状態の良い個体も残っている。
そして何より、そこには日本が世界に誇る漫画文化の原点が刻まれています。
もしかすると私はテレホンカードを集めているのではなく、あの時代の熱狂そのものを集めているのかもしれません。
懸賞で当たらなかったものの正体
先週の記事で、アニメ雑誌の懸賞にはがきを何枚も送っていたという話を書きました。
PIRATES CLUBのテレカも、懸賞景品として募集されていたものがあります。つまりぼくが当時必死に応募していた「あれ」の一部が、今手元にあるわけです。
当時は手に入らなかった。でも今、アルバムに並べると、あのころの熱量がそのまま戻ってくる感覚があります。
コレクションとして持つ意味
高校生のとき、祖父からロレックスのオイスターパーペチュアルデイトをもらった。特別高価なものではなかったけれど、ずっと手放さなかった。売ろうと思ったことも、正直ある。でも手放せなかった。好きだったから。
115枚のテレカも、同じ感覚の延長にあります。
ただ、これだけの枚数が並ぶと、一枚一枚への感情とは別に、ジャンルとしての輪郭が見えてきます。発行元、配布経路、絵柄の傾向、保存状態。そういう「構造」が、積み重なることで初めて見えてくる。
好きだから持つ、という起点は変わらない。でもコレクションは、一点で完結するものではないのだと、今週あらためて思いました。
テレカというジャンルの市場構造や需給については、引き続き音声でも掘り下げていきます。今日はただ、115枚がアルバムに並んだという事実と、そのときに感じたことを書き留めておきます。
今週の記事を振り返って
今週は以下のテーマで書きました。
- 月曜(ファッション):コンバース
- 火曜(時計/ジュエリー):ロレックス
- 水曜(アート):村上隆
- 木曜(インテリア):ジャン・プルーヴェ
- 金曜(ホビー):ジャンプ
気になった記事があれば、週末に読み返してみてください。来週も月曜から続きます。
大城崇聡|Collection Bank代表取締役
ノスタルジーコレクションクラブ主宰
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