今週はエヴァンゲリオンのテレホンカードを10枚ほど買い足しました。
予約していたトレインスポッティングのTシャツが2点届き、セールになっていた幽遊白書のTシャツも2点手元に来ました。並べてみると、全部「記憶」から選んでいる、ということに気づきます。
トレインスポッティングのTシャツ——記憶を着るということ
届いたのは、ユアン・マクレガーが演じたマーク・レントンのTシャツと、全キャスト集合の2パターン。
バーニーズ ニューヨーク限定、映画公開30周年記念の復刻Tシャツです。「Behind the Scenes®」が1996年当時の公式Tシャツを解析し、当時のDELTAボディや©1996 CHANNEL FOUR FILMS表記を踏まえながら、7.1オンスのヘビーウェイトボディで再構築したもの。ブランドロゴの併記は一切なく、当時へのリスペクトだけで作られています。
映画冒頭の「Lust for Life」が頭の中で鳴り始めます。そこから作品全体の記憶として、アンダーワールドの「Born Slippy」まで戻ってくる。スコットランドの街を駆け抜けるあのシーンの空気が、Tシャツ一枚で戻ってくる感覚があります。
これは現行品です。当時のTシャツではない。
ただ、ぼくが思うのは——現行品は「記憶を買っている」感覚に近い、ということです。当時のものが手に入らないから、記憶の代替として手元に置く。それはそれで意味があります。でも、ヴィンテージとは少し感覚が違う。当時のものが買えるとき、そこにあるのは記憶の代替ではなく、記憶そのものです。
幽遊白書のTシャツ——オープニングがノスタルジーの核
F-LAGSTUF-F(フラグスタフ)との公式コラボ、セールで2点手に入れました。
届いてからずっと、オープニング曲「微笑みの爆弾」を口ずさんでいます。「めちゃめちゃー」っていうところからの展開が好きで、最後の「ありがとうございます」は締めなのに気合いが入っている。あのオープニングが、幽遊白書の中で一番のノスタルジーかもしれない。
ちょうど『HUNTER×HUNTER』の最新話が約1年半ぶりに掲載されたタイミングでもあります。冨樫義博さんという存在を通じて、90年代のジャンプへの記憶が戻ってくる週でした。
幽遊白書の原作漫画は1990年に『週刊少年ジャンプ』で連載開始、TVアニメは1992年放送開始。当時毎週読んでいた。セールで手に入れたものではあっても、好きだったという事実は変わりません。むしろセールのタイミングに気づいて動けた、その観察の積み重ねがコレクションをつくると思っています。
エヴァのテレカ——当時のものが持つ感覚の違い
テレカはヴィンテージです。1990年代後半に流通したもの、当時のまま未使用で保存されていたもの。
今回メインで買い集めているのは、「1997 GAIAX」の表記が確認できる一部個体を含む、ゲーム・特典系エヴァテレカです。通常の雑誌全プレや抽選品とは少し違う、ゲーム特典由来の文脈を持つものが中心です。
エヴァンゲリオンは1995年10月放映開始。最終回の後に世間がざわついたのを、リアルタイムで覚えています。らんまが「好きだったもの」なら、エヴァは「理解しようとしていたもの」という記憶があります。
テレカを手にしたとき、トレインスポッティングのTシャツとは違う感覚があります。当時の配色、フォント、紙質、印刷の質感。1990年代後半という時間が、カードの中にそのまま閉じ込められている。記憶の代替ではなく、当時のものがここにある、という感覚です。
現行品は記憶を買う。ヴィンテージは当時のものが買える。この違いは、保有の感覚として明確に存在すると思っています。どちらが優れているということではなく、何を求めているかの問題です。
今、視野に入っているもの
「POSITIVE PEOPLE」が気になっています。
正確にはKACY WORLD COLORSの「POSITIVE PEOPLE」ラインで、商標記録上は1986年の使用開始が確認できる、米国のブラック・ヒストリー文脈を持つAOP Tシャツです。Malcolm X、Martin Luther King Jr.、Bob Marleyのポートレートや「WITHOUT BLACK HISTORY THERE IS NO HISTORY」といったメッセージが、黒ボディに赤・緑・黄の配色で全面プリントされた個体が知られています。Made in USA、シングルステッチ、コットン100%の個体も確認できますが、ボディやタグは個体差があります。国内では1万円前後から2万円台の販売・取引例が見られ、柄・サイズ・状態で価格差があります。
これはヴィンテージです。当時のものが手に入る。90年代ヒップホップ・ブラックカルチャーの文脈を持つアイテムとして、ヴィンテージTシャツの中でも独自の位置にあります。まだ手元にはありません。引き続き観察しています。
コレクションとして持つ意味
高校生のとき、祖父からロレックスのオイスターパーペチュアルデイトをもらった。特別高価なものではなかったけれど、ずっと手放さなかった。売ろうと思ったことも、正直ある。でも手放せなかった。好きだったから。記憶があったから。
今週届いたものを並べると、アニメも映画も全部「記憶」から選んでいます。値段で選んでいない。
現行品は記憶の入口として機能する。ヴィンテージは当時の時間そのものを保有できる。その違いを意識しながらコレクションを組み立てていくことが、ノスタルジー投資の解像度を上げることだと思っています。
今週観察するとしたら、エヴァンゲリオンテレカの未使用・状態良品の流通数と、トレインスポッティング復刻Tが二次流通でどう扱われるか。文化的文脈を持って丁寧に作られた現行品が、時間の経過とともにどう評価されるかは、長期的な観察対象です。
今週の記事を振り返って
今週は以下のテーマで書きました。
月曜(ファッション):ハーレーダビッドソンTシャツ深掘り 火曜(時計/ジュエリー):【ロレックス サブマリーナ 年代別シリーズ】最終回・第6回 水曜(アート):アートマーケットが動き始めている 木曜(インテリア):シャルロット・ペリアン——東洋が変えた目 金曜(ホビー):ビックリマン——おまけシールが、なぜ大人の資産になったのか
気になった記事があれば、週末に読み返してみてください。来週も月曜から続きます。













