大城崇聡 ノスタルジーコレクションクラブ|コラム
コレクションは、趣味だと思われがちです。もちろん、それは間違っていません。
好きだから買う。眺めて満足する。手元にあるだけで気分がいい。そういう喜びは、コレクションの中心にあります。
でも、長く持ち続けていると、だんだんそれだけでは説明できなくなってきます。
なぜそれを持っているのか。なぜ他のものではなく、それなのか。なぜ手放さないのか。なぜ時間が経っても、まだ好きなのか。
ここに向き合い始めた瞬間、コレクションは少しずつ「趣味」だけではなくなっていきます。
僕は子どもの頃から何かを集めてきました。トミカ、戦隊モノのロボ、ファミコン、漫画、CD、レコード。大人になってからは、現代アート、ヴィンテージ家具、ヴィンテージロレックス、ヴィンテージ古着、アンティークコインなどを持つようになりました。
最初から「資産にしよう」と思って集めていたわけではありません。むしろ逆で、好きだから持っていた。それだけです。
でも、好きだから持ち続けているうちに、だんだん見えてきたことがあります。
長く持ち続けられるものには、理由があるということです。
その理由は、たいてい数字ではありません。効率でもありません。もっと感覚的なものです。憧れていた。昔持っていた。なぜか忘れられない。人には説明しにくいけど、ずっと惹かれている。
つまり、ノスタルジーです。
僕は、コレクションの価値のかなり大きな部分が、このノスタルジーにあると思っています。
なぜなら、人はノスタルジーがあるものしか、長く持ち続けられないからです。
投資対象として眺めているだけのものは、どこかで売る判断になります。でもコレクションは違う。数字がすべてではない。手元に置いておきたい理由がある。それがあるから、時間をまたいで保有できる。ここが、コレクションと単なる売買対象の大きな違いです。
そして、長く持てるということは、それ自体が価値になります。市場は、時間をまたいで残るものに反応します。一瞬の流行ではなく、何年も、何十年も持ち続けられたものが、結果的に希少になり、需要を生む。
コレクターが「好きだから持ち続けた」という行為が、そのまま資産の蓄積になっていく。これがコレクションの独特の強さです。
高校生のとき、祖父からロレックスのオイスターパーペチュアルデイトをもらった。特別高価なものではなかったけれど、ずっと手放さなかった。売ろうと思ったことも、正直ある。でも手放せなかった。好きだったから。
その感覚が、コレクションのすべての出発点だと思っています。
好きかどうか。持ち続けたいかどうか。その問いに正直でいることが、結果的に一番いいコレクションを作ります。
今週、自分に一つだけ聞いてみてください。今持っているものの中で、値段を抜きにして「手放したくない」と思うものは何ですか?それがあなたのノスタルジーの種です。
大城崇聡 Collection Bank代表取締役 / ノスタルジーコレクションクラブ主宰













